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翻訳雑記

翻訳の資格

翻訳の資格についてご紹介します。

他国、例えばオーストラリアにおいては、翻訳・通訳にはNAATI(National Accreditation Authority for Translators and Interpreters)と呼ばれる国家資格があり、政府機関に関連する翻訳の仕事に携わる場合には一定レベル以上のNAATI資格が必要になります。また、NAATI資格は民間企業においても高く評価されています。

NAATI取得者には、大学などの教育機関において専門で翻訳・通訳を学ばれた方が多く、プロ翻訳者・通訳者として一定の能力を有していることが証明されます。

オーストラリアとは対照的に、現在日本においては翻訳に関する国家資格はなく、プロ翻訳者として業務を行うのにあたって資格は必要とされていません。

通訳に関しては、通訳案内士という国家資格がありますが、この資格はプロの通訳者というよりも、外国人観光客に対して通訳ガイドを行う際に必要な資格となります。

翻訳に関する民間資格としては、JTF(日本翻訳連盟)が主催するするほんやく検定など様々な資格があります。

これらの資格は取得していれば実力の証明にはなりますが、翻訳者となるのに資格は必要ではないため取得しているプロ翻訳者はまだまだ少なく、翻訳業界に関わりのない人たちの間では知名度が低いのが現状です。

翻訳の国家資格がないことによって、実力のない翻訳者や英語が得意なアルバイト感覚の学生が安価で翻訳の依頼を引き受けるなど、翻訳業界における価格競争、また翻訳の著しい品質の低下にもつながっています。

日本においても翻訳士や通訳士などの国家資格ができ、有資格者のみがプロとして業務に携わることができるようになれば、価格競争や品質の低下をある程度防ぐことができるものと思われますが、日本のように移民が少なく、言葉の問題が少ない国だと、まだまだ難しいのかもしれません。