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ノマドワーカーという生き方

ノマドワーカーという言葉があります。英語にすると”nomad worker”。”nomad”は遊牧民や放浪者の意味ですが、ノマドワーカーとはIT機器を駆使して移動しながらカフェやホテルなど様々な場所で働く人のことを指しています。

翻訳者には翻訳会社内に常駐して社内翻訳者として働く翻訳者もいますが(俗に言うサラリーマン)、一般的にプロ翻訳者といえばフリーランスの翻訳者として独立(つまり自営業者)し自宅やレンタルオフィスなどで働く方の方が多いかと思います。

社内翻訳者はある組織に属しており文字通り社内で他のスタッフと共に働くことが基本でしょうからノマドワーカーになるのは難しいでしょうが、フリーの翻訳者であればある程度は働く時間と場所を自由に決められるのでノマドワーカーという働き方ができるかと思います。

働く時間と場所を選ばない(といっても案件によっては制限があるでしょうが)というのは、フリーの翻訳者として働くことの最大のメリットの一つだと思います。翻訳者以外にもパソコンとインターネット接続があればできる仕事、例えばフリーでデザイナーやIT関連の仕事をしている方であればノマドワーカーとして働くことができるかと思います。

フリーの翻訳者として働かれている方の中には、たまに海外に一定期間(1ヵ月とか)滞在して仕事をされる方もいます。翻訳という仕事は基本孤独な仕事なので、ずっと自宅などにこもって一人でパソコンに向かって作業をしていると気が滅入ることもあるのでしょう。また、翻訳者には海外で生活されていた方も多く基本外国語や外国の文化が好きなので、海外の生活に馴染みやすいということもあるようです。

旅先では滞在先のホテルやカフェなどで仕事をすることになりますが、その際に最も気を付けなければならないのはセキュリティです。日本より安全な国は少なく、翻訳者は当然顧客の機密情報を預かっているわけですから、情報が漏洩する事態は何としてでも避けなければなりません。翻訳作業に安全な場所を選ぶことはもちろん、パソコン盗難防止のための手段を講じる必要が出てきます。

旅先で翻訳作業をするのに必要な設備ですが、パソコンと周辺機器は持参するとして、安定したインターネット接続、作業しやすい机と椅子、そして十分なセキュリティが確保できる場所が必要になってきます。海外で作業をする場合高級ホテルであればそれなりに安心できるでしょう。もちろん、ホテル滞在中であっても部屋に人が出入りすることもあるわけですからパソコン等の管理には気を遣う必要があります。

ノマドワーカーと言えばカフェにパソコンを持ち込んで仕事をしている姿をイメージされる方も多いかと思いますが、特に海外においてはセキュリティ面で不安がありますのでお勧めできません。盗難に合う可能性もありますし、機器に故障があった際は不便なのでパソコンを持ち歩くことはなるべく避けたいところです(ノマドワーカーの定義に反するようですが)。

また、翻訳作業には高度な集中力を要しますので、周りにたくさんの人がいる場所だと集中しづらいでしょう。機密情報が他人の目に触れることも避けたいところです。

日本との時差やセキュリティ面などでの課題はありますが、海外で仕事をするのは楽しいことですし、新しい発見にも繋がります。語学力の更なる向上のため、また仕事の幅を広げるために海外に行かれる翻訳者の方もいます。フリーの翻訳者であれば是非一度海外で仕事をしてみることをお勧めします。

この記事では主に海外での仕事について記載しましたが、また機会があればノマドワーカーの実例をご紹介させていただきたいと思っております。