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翻訳雑記

翻訳業界におけるコロナ禍の影響について考える

コロナ禍になってから早くも2年以上が経過しました。

今回は、コロナ禍が翻訳業界に与えた影響について、弊社を事例としてお話ししたいと思います。

弊社では、初めて緊急事態宣言が発令された2020年度がコロナ禍の影響が最も大きく、一番酷い時期においては売り上げが半分以上落ちました。

というのも、弊社では国際協力分野の翻訳案件を数多く取り扱っており、海外においてボランティアで働く人たちの経歴書などを翻訳しています。

コロナ禍で海外渡航が制限されてしまうと当然海外に行く人は激減しますし、案件が減少するだけならまだしもプロジェクトが完全に停止になったこともあります。

また、弊社の主な取引先は日本企業(あるいはその他の法人)なのですが、それがオンラインか対面かにかかわらず、日本企業と海外企業とのやり取りが減少するとそれに伴って翻訳の案件も減少します。

とりわけ、海外でロックダウンが実施された時期は海外の企業活動自体が大きな制限を受けていたわけですから、海外企業とやり取りする日本企業にも影響が大きかったのではないかと思います。

このように、翻訳というのは海外との人や物のやり取りがあって初めて成立するものだということを改めて実感します。

また、世界経済に大きな影響を与えたリーマンショックの後も翻訳の案件は減少傾向にあったのですが、経済活動が活発に行われてクライアントである日本企業の売り上げが上がらないと、そもそも翻訳の仕事が依頼されてこないんですよね。

弊社では出版翻訳や映像翻訳はほとんど取り扱っていないのでそれらのジャンルにおけるコロナ禍の影響は把握しておりませんが、世界の経済が停滞していた状況を見ると、少なくとも弊社が取り扱う実務翻訳(または産業翻訳、ビジネス翻訳)に与える影響は大きかったと思います。

コロナ禍で良かったことと言えば、翻訳者の仕事は元々テレワークがメインですから、出社制限などの影響を受けなかったことでしょうか。

場所を選ばず在宅でできるのは翻訳者の仕事の魅力でもありますが、そもそも案件がなかったらただの引きこもりになってしまうのが悩みどころでもあります(笑)。

翻訳作業に限らず弊社では多くの作業をオンライン化しておりますが、今回のコロナ禍で行政や企業のオンライン化が進むと弊社にとっては仕事がやりやすいというメリットもあります。

ありがたいことに、2022年度に入ってからは、既存のお客様からのご依頼が戻ってきただけではなく新規のお客様からのご依頼も増加傾向にあり、コロナ禍前の売り上げに戻りつつあります。

最近はまたコロナの感染者数も増えていますが、一刻も早く元の日常に戻って、ビジネスでもプライベートでも海外と自由に行き来できるようになることを望みます。